木建市場の冷凍庫の隅には、以前からずっとそこにある肉まんがあります。
「あれなんですか？」
「肉まんやん。」
「かなり前からありますよね？」
「うん。」
「なんでですか？」
「ええねんあれは。」
「食べないんですか？」
「うん。」
「賞味期限もまだ大丈夫そうだし、食べないならもらってもいいですか？」
「ええよ。」
「じゃ遠慮無く。」
チーン（レンジの音）
「・・・なんかパッツンパッツンですね。」←ラップがくっついてパッツンパッツンになってる
「そうじゃろ。」
「ええ。あと、押しても全く弾力感が無いです。」
「そうじゃろ。」
「いただきます。」
（ボリッ）
「・・・ボリボリですね。」
「そうじゃろ。」
「・・・ええ。ちゃんと水もかけたし、裏の説明通りの時間に合わせたんですけど。」
「そうじゃろ。」
「（ボリボリ）。」
「ボリボリゆっとるな。」
「ええ（ボリボリ）。スナック感覚ですね（ボリボリ）。」
「じゃろ。・・・で、おいしいそれ？」
「・・・これって今まで上手くできた事あるんですか？（ボリボリ）。」
「ない。」
「一回も？」
「うん。一回も。」
「・・・なるほど（ボリボリ）。」
